よく平積みされている本。ピアピアと一緒に買った。ハヤカワだからSFかと思ったが、ちょっと毛色が違う。SFとは何か、と言い出すと話の収集がつかなくなるから、細かくは書かない。
主人公の厭世的な雰囲気が特徴。一人称だけどやたら感情の起伏がない。まぁ、設定的に頷けるものはある。なんとなく、「1984年」と似たような雰囲気を感じた。あちらは明示的な監視社会だけど、こちらは間接的な監視社会。10年くらい前の本だけど、今のスマホで行動ログが自動的に取られる社会に似ている。
わくわくして先が読みたくなるタイプではなく、主人公が一体どうなってしまうのか気になって読み進めてしまうタイプの本だと思う。自分は読んで損はなかったと思うけど、人を選ぶかなぁ。文体もあるし。