カテゴリ:本( 104 )

2018年 07月 09日
失敗の本質(戸部良一 他)
かなり有名な本。数年前に脚光を浴びた某知事が絶賛しながら、本に書いているような失敗をしていると評判があったり無かったり。

それはさておき、本の内容はなるほどと頷けるものである。日本の組織は帰納的である、という言葉はよく現状を表していると思う。本を書かれた当時だけでなく、この現代においても。巻末の言葉で、
日本は高度成長の結果フォロワーから先駆者になったのだから、行動規範の変革が必要。だが、フォロワーのままである。
という趣旨が書かれているが、当時そう判断されているにもかかわらず、今でもこの批判が当てはまると思うのが残念である。

個別の内容については、日本軍は負け始めてからの負け方が本当に酷いと感じた。客観的にみて不利な状況を精神論で乗り切ろうとしたり、場の空気を読んで退却の選択が取れなかったり。自分の仕事の上でもあるあるである。

日本軍は戦争の初期に奇襲攻撃で成功を収めていたので奇襲攻撃に固執している。その事が何度も書かれているが、奇襲作戦の事を鵯越(ひよどりごえ)作戦と書いてあって、読み方が分からなくて困った。日本の奇襲攻撃の代表例が桶狭間と鵯越と中之島?とか書いてあったけど、歴史や戦国時代に興味が無い自分にはピンとこなかった。

あと、ツイッターでたまに「牟田口廉也bot(空腹実現党)」が流れてくるけど、今までは意味を知らなかったけど、この本を読んで牟田口が何をしたか分かってちょっと戦慄している。最近見た投稿は「補給線を叩く作戦に補給計画が無かった」だったかな・・・

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by alfred000 | 2018-07-09 08:39 | | Comments(0)
2018年 06月 15日
バッタを倒しにアフリカへ(前田ウルド浩太郎)
筆者の名前違うかも。
一年くらい前にネットで話題になって、本屋で見るたびに気になってた。色々と都合画ついたので購入。こういう本は電子書籍ではなく紙版を買うのがポリシー。

バッタの話というか、アフリカ滞在記みたいな内容で読みやすい。ルワンダ銀行総裁日記を思い出した。あと、ユーラシア鉄道横断とか、自転車出アメリカ縦断する本。さっくりと読めるのでおすすめしたい。そして、バッタの研究の足しになると良い。

ちょうど少し前に科学技術白書2017が公表されて、日本の科学力が低下と記載されているらしい。自分が情報を集めている所の感想は、国策で科学力が下がるような仕打ち(研究費の減額)をしているくせに、科学力が下がっている、という他人行儀・無責任な記述に呆れている人が多い。

研究費の削減はこの作者にも影響があって、自腹を切ってアフリカ滞在を続け、一発逆転を狙って、何とか成功した、という下りがある。他、研究以外に広告・宣伝活動を頑張ってる、との記述もある。有能な研究者が研究以外に力を使うのは勿体無いと思う。あと、この作者は一発逆転に掛けて成功したからいいけど、成功しなかったらこの本は出ないだろうし、世の中に失敗した人は多数いると思うと悲しくなる。

そう考えると、科学技術白書の記述は本当に無責任だと思う。ネットの例えで「首を絞めたら死んでしまった」と書いてる人がいたけど、そんな不気味さを覚える。

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by alfred000 | 2018-06-15 08:38 | | Comments(0)
2018年 05月 28日
ゼンデギ(グレッグ・イーガン)
タイトルの本を読みました。前回の「白熱光」に続いてだけど・・・正直、自分の肌には合わなかった。前半の展開が、個人的には冗長すぎる。中盤から「お?」と思わせて、後半はなかなか考えさせられる内容になったのだけれども。白熱光のあとすぐに読みだしたのだけれども、前半で読む気力を失って1ヶ月以上放置していた。まぁ何とか読みきった。

本の中で、サイドローディングで実在の人間の性向を模倣したコンピュータソフトウェアを作るというのは、出版当時は一般人にとって空想だったかもれしないが、今では十分実現性のある話に聞こえる。そうすると、この本であったような倫理的・哲学的な問題が出るのは当然だろう。実際に実現するのはいつになるのか分からないけど、実現すると世界が変わるだろう。

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by alfred000 | 2018-05-28 22:55 | | Comments(0)
2018年 03月 25日
白熱光(グレッグ・イーガン)
ハードSFで有名な作家の本。噂になってたので読んでみた。人気があるだけあってすごく面白い。前提知識の説明もなく始まる遠未来の情景や技術、交互に切り替わる視点、ローテクな世界での理論の発見過程。力学や宇宙の理論(これは言い過ぎだけど、ちょうどいい言葉か思い当たらない)を知っていると読んでいるときのワクワク感がたまらないと思う。
逆に言えば、読む人をすごく選ぶと思う。ハヤカワの海外SFという時点で選んでいる気がしなくもない。
自分は、ロイの住む世界の情景の最初の方は少し理解できたけど、それ以降は深く考えるのを辞めて楽しむことに集中した。まぁ、方角の名称が覚えられなかったというのがある。紙の本ならめくりながら確認できるけど、電子書籍だとちょっと面倒だしテンポも悪くなるよね。伏線回収時の伏線を確認するときは、圧倒的に紙の勝利。安さと保存場所には勝てなくて電子書籍ばかり買ってるけど。


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by alfred000 | 2018-03-25 13:28 | | Comments(0)
2018年 03月 08日
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン(ピーター・トライアス)
正直、タイトル買いしてあまり内容は期待してなかったんだけど、想像以上に面白くて一気に読んでしまった。感想は、あとがきの最初の方に書かれている内容に激しく同意した。歴史改編SF、ロボットアクション、サスペンス、ジャパネスク風サイバーパンク、監視社会ディストピア、戦争文学、人間ドラマ。こんな要素が全部混じっていい感じの作品になっていると思う。詰め込みすぎな気もするけど、テンポが良くてダレることはなかった。

ただ、人の命を安く扱いすぎじゃないですかね?あと、拷問シーンがきつい。サイバーパンクだとこういう要素が必要なのかもしれないけど。

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by alfred000 | 2018-03-08 07:48 | | Comments(0)
2018年 02月 21日
火星年代記(レイ・ブラッドベリ)
人類が火星に移住し始める話。最初はなんの話か分からなかったけど、第二次調査隊の結末に驚愕する。その後も不思議なことが起きたり、人間の愚かさを描いたり、火星人がほんの少し出てきたりして、最後は半絶滅エンド。なんだかな~、という終わり方だけど、中々面白かったと思う。古めのアメリカSFにありがちなのかもしれないけど、アメリカ人がものすごく頭悪い幹事に描かれていると思う。作者によるのかもしれない。
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by alfred000 | 2018-02-21 23:22 | | Comments(0)
2018年 02月 09日
せっかくチートを貰って異世界に転移したんだから、好きなように生きてみたい (ムンムン)
「なろう」で連載されている小説。お布施の意味と、ポイント還元に釣られて二冊とも購入。50話くらいの頃から読んでるんだよね。

エロ小説なんだけど、比喩的な表現しているのがとても面白い。海底火山が海底で噴火とか、フリックとか、zipファイルを展開とか。残念なのは、絵がイメージと合ってないあたりかなー。もう少し控えめな雰囲気が良かった。挿絵の数もちょっと少ない。

連載ではこのあと、エロ要素を少し減らして行くけど、それはそれで主人公が好き勝手やっていく所は変わらない。もちろんエロ要素は所々出てきて面白おかしく書かれている。連載の続きが楽しみ。

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by alfred000 | 2018-02-09 12:46 | | Comments(0)
2018年 01月 11日
華氏451度(レイ・ブラッドベリ)
うーん、文章が読みにくい。特に1章の会話は相手が子供という設定もあってか、平仮名が多くて読点も少ないので集中力がいる。会話の内容自体は、全篇通してかっこいい言い回しが多くていい感じ。情景描写や心理描写もすごい。SFというか詩的な雰囲気を感じる。

梵書に疑問を持つ過程はどうだかなーと思ったけど、疑問を持ってから周囲の不気味さに気づくあたりや、どんな終わり方をするのか気になるあたりは流石に有名な作家だと思った。「1984年」に似てるとは思ったけど、終わり方は全然違ってた。そしてひどい終わり方だと思った。

いい本だとは思うけど、やっぱり読みにくい文章が辛かった。

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by alfred000 | 2018-01-11 12:21 | | Comments(0)
2018年 01月 01日
ドゥームズデイ・ブック(コニー・ウィリス)
出版は1992年の古い本。電子書籍になったのはここ数年。海外のSFの賞をたくさん取った有名な作品らしい。深い解説は訳者あとがきに書かれている。ここでは軽い感想を。

最初に気になったのは専門用語が説明なしに使われていて分かりづらい、と思ったこと。降下とかネットとかフィックスとか。まぁ、あの時代の海外SFはあんなものと考えれば諦めがつく。なれる前に脱落者が出そうではある。

過去側で言葉が通じない、というのは斬新だと思った。700年も時代が変われば通じないのは当然か。日本でもそうだろうし。あと、過去の登場人物が皆警戒心が強いのも斬新。よくあるタイムトラベルものだと異邦人に対してフレンドリー。でも、相手が何者なのか警戒するのが当たり前。これが過去トラブルの解決を難しくしてスリリング度が上がっている。

そして、登場人物がことごとく自己中心的なことが気になった。いい人っぽいガーウィンでさえ、結局は自分のことしか考えていなかった。何を考えているか分からないローシュが、立派な人だった。現代側は本当に全員自己中心的。ダンワージーが困っているのに、登場人物は自分側の要求しか言わない。これがイギリス的な社会なのか、と思ってしまった。しかし、考えてみると、過去の人が警戒心が強いように、自分たちが困っている時に、リスクを取ってまで主人公側を助けたりするのはご都合主義といえばそうである。この考えに至るまでが読み進めるのが辛かった。「何でダンワージーに協力しない?」とイライラしながら読んでいた。上のことに思い至ってからは、少しはイライラが解けたけど。

ただ、第三部に入った直後、何人かが急にダンワージーに協力的になったのは不自然に感じた。

読み終わってみればすごくよく考えられた話だと思う。スリリングで面白かった。でも、読んでいて上に書いた「自己中心的」な記述がイライラする事が多かった。訳者あとがきでは「スリリングな中に喜劇的な部分がある」と評してるけど、自分にはそう感じる事が出来なかった。

同じ舞台をテーマにした続編があるらしいけど、進んで読みたいとは思わなかった。読む本が無くて安くなってたら、かな?あと、koboに本が増えてきて思ったけど、ライブラリの並び替えが思ったとおりにならなくてイライラする。

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by alfred000 | 2018-01-01 17:26 | | Comments(0)
2017年 12月 20日
2010年 宇宙の旅/2061年 宇宙の旅/3001年 終焉への旅
アーサー・C・クラークの4部作。だいぶ時間が空いたけどセールを利用して買ったのをようやく読み切った。色々気が散ることが多くて集中して読めなかった。なので、どうしても粗探しみたいな感想になってしまう。

宇宙を旅する雰囲気や新しい世界の様子の記述は相変わらず素晴らしい。木星、エウロパ、ハレー彗星、ガニメデ、宇宙タワー、宇宙船の中。どれも引き込まれる書き方で読んでて楽しいと感じる。

その一方で、人物の描写がダルく感じるところが多かった。登場人物が多くて覚えきれない。集中して読んで無いせいたが、電子書籍で登場人物一覧に戻りにくいのも原因かと。スマホでなくkobo端末なら違うのか?

それはさておき、やはり英語を訳した感じの登場人物同士の会話が面白く感じるところとつまらないと感じるところがあって、つまらないところは辛かった。そこを除けば、会話も描写も面白い。

集中して読んていれば、どのシーンも面白く読めるのかもしれない。たくさん本が(電子的に)積まれてるので、再読することは無いかな。悲しい。

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by alfred000 | 2017-12-20 23:26 | | Comments(0)